3. STARテストからSmarter Balanced Assessmentへの移行
従来の標準テスト(STAR)は選択式の回答(Multiple
choice)で、生徒はとりあえず答えを書いていくことで偶然にも正答できたり、または回答の選択肢の中から正しそうな答えを選ぶことができるようになっていました。もちろん、STARテストは当該学年の範囲が全て含まれるので、問題数も多く、回答するスピードも要求されていました。渡米されたばかりの日本人生徒にとっては、簡単な数学の問題も問題文が理解できない等で難しく感じられることもあったようです。しかしながら、どうしてその答えに辿り着いたのか、その根拠や答えの意味するところはなにか、ということは問われないので、どんな方法でもいいから答えればよかったわけです。ここらへんは今の日本の試験方法に近かったといえるでしょう。
ところが、CCSSでは「生徒は口頭で提案したり,解釈がテキストに書かれている時,具体的証拠を引用する。生徒は自身の書くことや話すことの要点を裏付けたり,読み手や聞き手にとって自分の論理を明確にする関連性のある証拠を用い,また前向きに証拠の他の使用を評価する」という尺度が大きな比重を占めてきます。例えば、Mathでは今までは、ただ答えを選べばよかったのですが、新方式の試験(SBA)では答えの意味は何なのかを文章で示すことが要求されるのです。
問題例:
6年生のMathの問題の例です
A restaurant worker used 5 loaves of wheat bread and 2 loaves of rye bread to make sandwiches for an event.
(1)Write a ratio that compares the number of loaves of rye bread to the number of loaves of wheat bread.
(2)Describe what the ratio 7:2 means in terms of the loaves of bread used for the event.
1.は数字で答え、2.には文章で7:2が何を示しているのかを書きなさいという問題です。
(模範解答:(1)2:5 (2)7:2 is the ratio of the total number of loaves of bread to the number of loaves of rye bread)
また、今までのSTARテストはマークシート方式でしたが、SBAでは、以下の様に文章で示された内容を使って、小問5問程度を解かす出題もあります。注目したいのは、Explain why
です。答えを書くだけでなく理由を説明しなくてはなりません。このようにCCSSでは記述式の解答が求められますので、すべてコンピュータで試験をうけることになります。学校に設置されたPCで受験し、キーボードで解答を入力していかなくてはなりません。アメリカに長い生徒はタイプに慣れていると思いますが渡米まもなくの子ですとスマフォは使えてもキーボードが苦手の子も多いので、タイピングの訓練も必要です。